波頭

束の間、淡く残ることについて

2021-01-01から1年間の記事一覧

interlude/祭りのあと - 個展「景に遇う」の場にゆらめいたことについて

はじめに この文章は非常に微妙な位置にいる。まず、その微妙さについて簡潔に述べておきたい。 世に多く出回っている評論などの散文作品、記事・紹介文などの説明的な文章は基本的に、読者に対して最大限の配慮をしながら、「伝えたいことを伝える」ことを…

fieldnote みはらかつお個展「千年景-仙台2021-」

turn-around.jp 開催中みはらかつお個展千年景-仙台 2021-2021.10.12火曜 ~10.17日曜11:00~19:30、日曜~16:00迄 Gallery TURNAROUND宜しくお願い致します。https://t.co/vBhkX2btQY.… pic.twitter.com/19UZiDax5H — Gallery TURNAROUND(タナラン) (@TURN…

fieldnote 仙台写真月間2021ㅤ(2)

仙台写真月間2021稙田 優子「雨包、粒子」2021.9.21(火)~9.26(日)11:00~19:00 (最終日17:00まで)[スペースB]このタイトルを私は「ひょう、りゅうし」と読む(作家テキストより)#サープ#仙台写真月間 pic.twitter.com/XPdMtkeQz5— SARP 仙台アーテ…

fieldnote 仙台写真月間2021‌︎ㅤ(1)

高橋親夫「ここにいた時は子どもだった」 花輪奈穂「傍らに立つ」 小岩勉「FLORA#07」/野寺亜季子「a #3」 照井隆「Lines&Colors」 高橋親夫「ここにいた時は子どもだった」 仙台写真月間2021高橋 親夫「ここにいた時は子どもだった」2021.9.7(火)~9.12(…

木村敏『異常の構造』 - メモ

「正常の側から異常を語るということが果たしてどこまで可能なのか、というのは考えてしまうな」 「それは当事者性を欠いている、とか、そういう問題?」 「いや、だいぶ違う。当事者性については、西村ユミ先生と宮子あずさ先生が話していたことを忘れたわ…

本屋と時間 - 『仙台本屋時間』について(と今の心境をすこし)

「火星の庭」店主・前野久美子さん主導で作られたZINE『仙台本屋時間』に、僕も少しだけ関わっていた。打ち合わせへの参加、前野さん担当部分の取材参加、取材メモ作成(音声データの書き起こし)、書店基本情報リスト作成、掲載許可取り、コラム「本とひと。…

「読む経験」の核心を書く - フリーペーパー『「曲線」の書棚から』という場所について

仙台市青葉区八幡にある「曲線」という本屋さんと勝手にコラボレーションして、『「曲線」の書棚から』というフリーペーパーを作っている。2021年2月に一作目を作って、8月に二作目を作った。今はとりあえず、ごく僅かの部数だけを刷って「曲線」さんのフリ…

「好き」と言葉にする、その先 - メモ

「好き、という言葉についてどーたらこーたら言ってたけどさ、誰かを好き、とか、何かが好き、とか、そういうのはすごく感覚的なことでしょ?」 「もちろんそうだ。だから、僕は感覚を否定したいわけじゃないよ」 「じゃあ何を否定したいのさ」 「いや、否定…

「表現」についての覚書

写真家・一之瀬ちひろさんと映画監督・小森はるかさんによるトークイベントについての文章。二人の「実践に対する態度」について、二人の言葉に立脚するかたちで整理する。続いてゆく制作行為のなかで、「表現」はどのような形をとるのか。